あんみつ坊主の愚言録 第3巻
令和2年(仏暦2563、皇紀2680、基督暦2020)12月3日最終更新

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愚言

令和2年12月3日  香港の民主活動家である黄之鋒、周庭、林朗彦の3氏に禁固刑が言い渡された。彼らが何をしたというのだろう。暴力に訴えることなく自らの意見表明をしただけではないのか。
 アムネスティー・インターナショナルは判決を批判し、アジア太平洋地域の担当者が「有罪判決を直ちに覆し、直ちに3人を無条件で解放しなくてはならない」と述べている。全くその通りだ。
 米国連邦議会のペロシ下院議長は、「不当な判決と香港の人々に対する中国の攻撃を非難するよう世界中の人々に呼びかける」と訴えた。人権の尊重を是とする世界の人々よ、一致してこの呼びかけに応え声を上げようではないか。
(12月2日配信のBBCウェブニュース、12月3日配信のTBSウェブニュースを読んで)
令和2年9月24日  またも不倫騒動ですか。実に愚かしいことです。いえ、不倫をしたという競泳選手のことではないですよ。不倫という私的な問題で大騒ぎする世論(商業報道を含む)の愚かしさを嘆いているのです。本当に馬鹿みたい。
 中には五輪強化選手に対する助成金まで引き合いに出して高い「モラル」を求める「聖人君子」もいらっしゃる。直接の被害者でもないのに、よくもまあそんな厳しい追求ができますね。薬物濫用のような刑法犯とは違うのです。それに倫理観なんてものは絶対ではないでしょう。特定の価値観を武器に鬱憤晴らしの便乗批判をすることだって人倫にもとる行為かもしれませんよ。
令和2年8月21日  「朝鮮半島出身者に対する戦時中の日本の加害責任」っていったい何を指しているんだろう。日韓併合時代、一部の日本人が朝鮮半島出身者を見下して失礼な態度を取っていたらしいことは否定しない。しかし、戦時中、(元からの)日本人は朝鮮の人たちと一緒に(彼らが不本意だったかどうかはともかく)同胞として戦ったのであり、彼らを敵として軍事攻撃したことはない。日本の戦争に彼らを巻き込んだ道義的責任はあるかもしれないが、それを「加害責任」というのだろうか。
 炭鉱や軍需工場で働かされたのは(元からの)日本人も同じだ。いや、成年男子に限っていえば、元からの日本人は先行して徴兵に取られているから、朝鮮半島出身者が従事した炭鉱労働より(平均的には)危険であった。
 上記「一部の日本人」の非礼・侮蔑的態度を日本全体の責任とするなら、終戦直後国内各地で起こった一部の方々による乱暴狼藉が朝鮮民族の印象に影響を与えたことを否定するのはどだい無理だろう。
 日本に罪があることは誠実に詫びる必要がある。日本人として申し訳ないと思う。しかし、濡れ衣を着せて非難するのは日本に対する侮辱であり、差別である。
令和2年6月7日  このところ世の中の批判ばかりしていて見苦しいので、たまには仏様のお話を書きます。
 観音様は衆生を救うため、様々な姿に変えて説法を行うとされています。観音経(妙法蓮華経観世音菩薩普門品第25)には33の姿、すなわち三十三身での説法が例示されていることから、西国観音霊場は33番までであり、京都の蓮華王院が三十三間堂なのもこれに因んでいます。しかし、この数字が重要なのではなくて、仏身や諸天、比丘(出家僧)ばかりか宰官(役人)や童子、果ては夜叉、阿修羅などの非人にまで姿を変えて衆生を度脱するという意味が肝心なのです。つまり、あなたの周囲のあらゆる存在から観音様のことばが発せられる可能性があるのです。だとしたら周りの人々を粗略に扱うことはできませんよね。お互いが観音様の化身であるかもしれないと考えて、敬意をもって接すれば世の争いごとはかなり減るはずです。これぞ観音力でしょう。
 私、あんみつ坊主はまだまだ修行が足りません。反省しながら書いています。
令和2年5月13日  現在の検察庁法改正案がこのまま成立したら近代民主主義の根幹・三権分立を揺るがすことになると指摘されている。これを拙速に採決させてよいのだろうか。「丁寧に説明」するのが法案成立後でも許されるような論点だろうか。日本の品格を損ないかねない大問題と認識すべきではないのか。
 この判断に、右か左かという政治的立ち位置は関係ないような気がする。私は今、日本を憂いている。
令和2年4月17日  「ごめんなさいで済むなら警察は要らんわ!」とはいきり立ったおっちゃんの決まり文句ですが、ホンモノの警察は「ごめんなさい」も言えないようです。強引な捜査と不適切な裁判で無実の女性が12年も服役して人生を無駄にしたというのに、当事者である滋賀県警の本部長会見で一切の質問を受け付けないと記者クラブに告知したとか。再審を担当した裁判長が真摯な姿勢で刑事司法の問題点まで指摘したのに対し、警察が相変わらずそういう態度では、先々大いに不安です。
#4/16(木) 15:15配信のヤフーニュース(京都新聞)『再審無罪の湖東病院患者死亡、滋賀県警が質問一切拒否 17日の本部長会見、記者クラブに通告』を読んで
令和2年4月12日  緊急事態を宣言しているのに痛勤電車や露染バスが相変わらず乗客で一杯ではさすがにまずいよね。平日はコロナウイルスが不活性になるという科学的根拠もないし。少なくとも大都市圏では基本在宅・出勤特例の徹底が直ちに実現できないようだと本当に国が破滅しますよ。「熱があったらテレワーク」なんて空気は論外で、新型感染症でなくても「熱があったら休養」に決まってるでしょ。
(公共交通の愛好家としてガラガラの列車やバスを見るのは嬉しくないけれど。)
令和2年4月4日

 愛媛県立内子高校の教諭が新型コロナウイルスに感染したとの報道があり、この教諭が3月末に横浜を私用で訪れたと伝えていた。愛媛県知事の会見はあたかも教諭の行動(横浜旅行を指しているように聞こえた)が不適切と言わんばかりであったが、おかしくないか。横浜を訪れること自体は現段階で違法でないし、全国ニュースで触れられなかったマスクを付けないで部活指導した件だとしても、マスクは私物だろうから命令違反とは言えないはずだ。記者会見での知事の説明では、むしろ教諭に対する名誉毀損にあたらないかという疑念が湧く。
 それよりも、こんな状況下で生徒に部活動をさせていたことに驚いた。学校はまだ再開されていないんじゃないの?知事が謝罪している「教諭の行動」とは、学校再開前に部活動の指導をしていたことなのだろうか。それならもっと明確に言及すべきだし、部活動を容認(黙認?)していた校長を差し置いて病気になった担当教員だけを非難するのは筋違いだと思う。
(4月4日放送のNHKニュースおよびNHKのウェブサイトに掲載された同ニュースの記事から)

令和2年2月29日
(令和2年3月12日表現修正)
 公道で行われる聖火リレーを一般人が動画撮影してSNSなどのインターネットに上げることを禁止するとか。天下の往来を賑々しく走る公開行事が誰かの占有物とでも言うのかい?昔の独裁国家じゃあるまいし。自分で撮ろうなんて考えていない私でも、なんだかオリンピック帝国主義みたいで気分が悪いから、撮るのも見るのもこっちから願い下げだ。
(2/28(金) 16:50配信のヤフーニュース(日刊スポーツ)『聖火リレー撮影動画、一般人はSNSへのアップ禁止』を読んで)
令和2年2月15日  大阪府吹田市で路上喫煙を注意された19歳の男が父親に加勢までさせて、注意した男性に暴行を加え重傷を負わせたそうだが、加害者の親子は殺意を否認しているとか。被害者の男性が死の恐怖に怯えたとしたら、加害者が否認していようと被害者の実感を基準に殺人未遂を適用しても良いのではないだろうか。セクハラは被害者の一方的主張で(端から見て「違うだろ」と思える状況でも)クロになるそうだから、ましてやセクハラごときより(と敢えて書きます)はるかに深刻な命の危機の問題で被害者の心情を尊重するのは当然だと思う。
 また、こんな事件があると、反社会的勢力(暴力団)の資金稼ぎ取り締まりなどよりも、善良な市民の命を直接危険に晒す暴力的個人の積極的監視・排除を期待してしまう。為政者の反対勢力弾圧の手段として悪用されないよう注意しないといけないし、加害側にも一応の人権があるけれど、善良な一般市民の人権は何を置いても護らねばならないはずだ。少なくとも議論はされるべきだろう。
(2/15(土)0:56配信のヤフーニュース(産経新聞)『路上喫煙注意され鉄パイプで暴行か 殺人未遂疑い父子逮捕』を読んで)
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