観林庵写真帖 8 
令和元(2019)年11月7日作成  令和4年5月15日最終更新
 

縁は無いけど懐かしい景色
片町線住道付近  平成28(2016)年12月19日

 昨年まで一緒に仕事をしていた若い職員が、今日(令1.11.7)私の職場に立ち寄ってくれました。彼女は今、近くの別の事業所に勤務していますが、ほんの半年前に異動したばかりなのに少し懐かしい気持ちになりました。

 昔の友人や仕事仲間、あるいはかつて暮らした町などに懐かしさを感じるというのは、普通にあることだろうと思います。しかし、縁もゆかりもない土地に懐かしさを覚えるという人はどのくらいいるでしょうか。私はたまにそのようなことがあるのです。

 上に掲げた写真は、大阪の京橋から片町線(学研都市線)で東方面に向かう途中の景色です。大東市の住道駅を過ぎるまで東進していた列車が、これから左に曲がっていく地点で、正面に午後の日差しに照らされた生駒の山並みが見えています。この辺りで、急に懐かしい場所に帰ってきたという感情がこみ上げてきました。この先に故郷が有り、親しい人が住んでいるような感覚でした。列車はこの後、野崎という駅に停まり、その次が四条畷駅です。四条畷には全くつながりが無いにもかかわらず、なぜだか惹きつけられるのです。(市名は四條畷市、ただし駅は市境付近の大東市側に所在)

 人間同士でも気の合う相手、合わない相手があるので、気の合う町とでも言えば良いでしょうか。特別な景勝地でもなく、地味な市街地が広がるだけなのに、自分でも不思議です。用事は無いけれど、ふと足が向いて、既に3回も四条畷駅を訪れています。

 現実には知っている人など居ないので、一人で商店街を歩いて、駅前の喫茶店でコーヒーを飲んで帰ってくる程度です。喫茶店のマスターが誠実そうな方で、夕刻近くの客の少ない時間に寄るものですから、少しばかり会話をすることができました。たっぷりのホイップクリームが載ったシフォンケーキが美味しかったです。シフォンケーキはマスターの手作りだそうです。

 オカルト系の方に話せば、前世で因縁が、とでも説明されるかと思います。私は別に何でもいいですが、書いていたらまた行きたくなりました。 

(写真帖8 終わり)
 
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