観林庵写真帖 2
令和元(2019)年10月12日作成  令和4年5月15日最終更新
 

尼崎牛乳事業のコーヒー牛乳
兵庫県尼崎市  平成21(2009)年9月6日

 これも10年ほど前のことですが、尼崎市内で偶然、ガラス瓶入りのコーヒー牛乳を見つけました。「昭和牛乳」という看板を掲げた店の表に飲料の自動販売機があって、そこに白牛乳、コーヒー牛乳、特濃牛乳の3本が入っているのです。まさか雰囲気を盛り上げるために「昭和牛乳」の店名を名乗っているわけでもないでしょうが、昭和生まれの懐古趣味人間を泣かせるような場面設定です。飲まないわけにいきません。

 買ってみると、見本通り昔ながらのセロファンが掛かった紙蓋の牛乳瓶でした。これだけで昭和時代に瞬時帰還します。蓋を取る前に、店舗の隅の小さな出っ張りを使わせてもらって、この写真を撮りました。瓶の側面の文字表記は「尼崎牛乳事業」で、協同組合的な歴史が窺われます。
 撮影後、精神を統一してセロファンを丁寧に剥がし、供物のお下がりをいただくような気持ちで飲みました。夏の日差しの元、立って飲む冷たい瓶入りコーヒー牛乳は最高です。口に当たる肉厚なガラスの感触は、旧来型の瓶なればこそです。

 最近の情報によると、瓶の文字が「昭和牛乳」に変わっていて、「尼崎牛乳事業」の瓶はもう無いとか。瓶の文字は変わっても、瓶入り牛乳が飲めるなら、また行きたいです。

(写真帖2 終わり)

-----
※令和2(2020)年9月15日追記

 ゴエモン△様の『牛乳キャップ収集と販売情報』の記事「昭和乳業の瓶牛乳が廃止」 (2020-6-20)によると、尼崎市の昭和乳業は休校に伴う学校給食休止の影響で瓶牛乳の製造を廃止したそうです。もう一度飲みに行きたかったのですが、残念です。
 ゴエモン△様、ありがとうございました。
 
前へ
[観林庵日記巻頭]
次へ