観林庵 我楽多箱 2 
令和2(2020)年8月28日作成  令和5年5月22日最終更新

← 紅茶缶 リプトン「エクストラクオリティセイロン」 110g
(EXTRA QUALITY CEYLON)
平成10(1998)年頃入手
 
 リプトンのエクストラクオリティセイロンは私好みの紅茶の一つです。やはりセイロン紅茶主体の調合であるトワイニングのオレンジペコーに比べ、少し爽やかさが増した感じの味で、日本における高品質紅茶の標準と言っても良いと思っています(個人の見解です)。

 青缶と呼ばれるこの缶は日本では明治40年から販売されているとのこと[注1]で、わずかに緑がかった水色の塗色が古くから続いており、時代に媚びない安定感が魅力です。もはや郷愁をそそらせるほどの存在なのですが、110gの缶はいつ頃からか上蓋が省略されてしまいました。喫茶店の棚に置かれているような大きな缶は今でも上蓋付きですので、商品戦略変更ではなくて、単価の低い区分の経費節減なのでしょう。

 ここに掲げた画像は、平成初期に買った上蓋付きの110g缶です。上蓋の有無など紅茶の味には関係ないのですが、私たち庶民のささやかな贅沢品だったリプトン紅茶が普段使いになったのは良いことと思いつつも、幾ばくかの寂しさを感じてしまいます。

[注1] 『サライ』15号(平成7年)、22頁

(我楽多箱2 終わり)

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