1.路線概要 |
島根県石見地方東部の中心都市・大田市から邑智郡川本町、石見町、瑞穂町を経由して、広島県北部の山県郡大朝町に至る路線と、その支線。域内輸送とともに、広浜線を経由しての対広島輸送、および大田市、江津から広島への都市間輸送も担った。 |
(H11.11.4) |
石見川本発三坂口行 534-4484 ふそうP-MP118M 川本本線矢上 H15.3.4 |
[特急]大田市発広島行 644型 川本町内 H15.3.4 |
2.略史 |
昭和22(1947)年5月24日、石見大田(S46.2.1から「大田市」)−石見中野−大朝間、石見中野−矢上間他が省営自動車川本本線として開業。新しく開設された川本自動車区および田所支区を基地に運行を開始した。同時に支線の高原線(石見谷−石見高原−田所間)、阿須那線(石見高原−阿須那間)も開業した。その後、邑智郡内および近隣地を結ぶ支線が順次開業し、国鉄バス川本線は石見地方東部の山間地域における主力交通機関となった。石見川本−石見大田間は昭和38年4月10日から川本北本線となり、三原線、温泉津線などの支線とともに川本北線として路線名称上独立した。ただし、川本線と川本北線に分かれた後も、ともに川本自動車営業所の管内であることに変わりはなく、両線は従来通り一体的に運営された。
昭和50年代からは一転して支線区の廃止が進められ、国鉄民営化後も路線は縮小し続けた。そして、最後まで残った川本本線・川本北本線も、普通便が平成15年3月31日をもって全部廃止となり、川本営業所は閉鎖された。 平成15年4月1日以降、本線系統の普通便は石見交通(株)が引継ぎ、沿線住民の足は確保された。一足先に廃止された支線区の多くでも、自治体による代替バスが運行されている。広島−大田市、江津を結ぶ陰陽連絡特急便だけは今も中国ジェイアールバスによって運行され続けている。地域住民の期待に応えてきめ細かな路線網を形成し、生活を支えてきた国鉄バスの役割は、ジェイアールバス、民間バス会社(石見交通)そして地元町村とによってバラバラに引き継がれる形となった。 (平成15年現在) |
3.関連資料 |
3-1 昔の時刻表
◆川本線・川本北線時刻表 (昭和57年11月15日改正) PDFファイル 資料提供:くろ様 |
矢上駅は昭和22(1947)年5月24日の川本本線開業時に、当時の邑智郡矢上村の中心部に設置された自動車線駅である。路線の消長に伴い、帰属路線名は川本本線→矢上線→日貫線→江津線→川本本線と何度も変わったが、川本と田所・大朝方面を結ぶ本線系統のバス(特急便を除く)がこの矢上を経由する運行形態は平成15年3月31日の普通便全廃まで続いた。矢上には日貫(ひぬい)、川戸方面のバスも発着し、付近には行政機関や県立高校もあることから「要駅」(石見町誌p.217)であった。
その矢上駅が昭和26年に改築されたとき、それを記念して由来書が作成され、駅舎に掲げられた。由来書の現物は後の再改築(現駅舎新築=写真)以後、行方がわからないとのことだが、旧駅舎に掲示されていた当時の写真を駅業務受託者の方が保管しておられたので、許可を得て書き写した。 |
(1) 自動車線普通旅客運賃表「川本線」 (昭和53年9月1日実施) | PDFファイル |
(2) 自動車線普通旅客運賃表「川本北線」 (昭和53年9月1日実施) | PDFファイル |
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