名金線の本線である名金急行線のうち、富山県から石川県にかけての区間は金沢自動車営業所が管轄していた。福光以北は二、三の支線も含め金沢市の郊外バスとして機能しており、路線名の由来である美濃白鳥方面からの直通特急便はむしろ特殊な存在であった。
宝達線は、金沢と能登を結ぶわずかな直通便が走るだけの宝達本線と、七尾線高松(石川県河北郡高松町)・宝達(石川県羽咋郡押水町)両駅から東方の山麓集落へ向かうローカル線の羽咋線で構成される路線だった。宝達本線は奥能登本線の一部として昭和30(1955)年に森本−七尾間が開業し、後に羽咋線となる区間が開業した昭和32(1957)年に独立した路線であるが、昭和50年頃には運行を休止していた。昭和61(1986)年12月の宝達本線廃止により残存した旧羽咋線を宝達線としたものの、新会社に引き継がれることなく、昭和62年3月29日に全線廃止となった。 |
名金急行線西赤尾までが自由周遊区間に 含まれていた頃の北陸ワイド周遊券B券 (S54.5.2) |
名金急行線城端行 527-4471[金沢] 日野HT225A 古屋谷 S63.11.12 |
太美山線でのすれ違い 福光町内 S63.11.12 |
医王山線田の島発金沢行 537-3475[金沢] 日野RC301 田の島 S63.11.12 |
1.路線概要 |
◆ 昭和51(1976)年2月1日当時の路線(国鉄自動車線普通旅客運賃表S51.2.1全面改正版)
名金線 *下線=鉄道線接続駅 |
◆ 国鉄時代(昭和55年10月末)の関係現業機関 : 金沢自動車営業所(中部地方自動車局) |
2.略史 |
2-1 宝達本線 (準備中) | 2-2 羽咋線 (準備中) |
3.乗車記 |
■昭和63年11月12日(土) 名金急行線 金沢発加賀朝日経由中尾行、中尾発鳴瀬経由金沢行 金沢(6:10)→深谷温泉→加賀朝日→中尾(6:49頃)/中尾(7:00)→桐山→鳴瀬→森本(7:25頃) 乗車車輌: 528-1002 日産デK-U31L、富士重 金沢駅6:10発深谷温泉経由中尾行に乗る。乗客は自分だけ。途中市内で一人乗ったが短区間で降りた。森本駅でも乗車無し。堅田町で本線から分岐して支線区間に入る。深谷温泉付近は道が狭く、自転車が来ても徐行しなくてはいけないほど。途中からは拡幅工事が行われていた。 しばらく進むと高原の尾根筋のようなところを走る。左右に山が望まれ景色が良い。駅の路線図と経路が違うようで、加賀朝日を通り、南千谷を通って中尾に着く。 中尾で少し停車して、7時ちょうどに発車。少しもどって別の道に入る。このバスは循環便の扱いらしく、これまでの整理券番号の続きに運賃の数字が増えてゆくが、中尾までの運賃金額は減り始めた。中尾までと打って変わって通学の生徒たちが次々と乗ってくる。次第に乗車率が高くなり、やがて立ち客が出るまでになったらほどなくして森本駅に着いた。 |
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