国鉄バス資料室
406 水都東線・柿岡線・水戸南線
令和5(2023)年8月3日開設、令和5年8月4日最終更新
 水都東線は水戸−御前山間の路線を本線として昭和30(1955)年に開業した。茨城交通茨城線の終点駅でもある御前山と真岡線茂木の間は昭和10(1935)年に省営自動車常野線が開業しており、さらに茂木−宇都宮間の茂木線とつないで水戸と宇都宮を結ぶ路線(水都東線〜水都西線)を形成した。
 水戸西線は水都東本線の支線で水戸市北西部の郊外を走っていたが、昭和50年代に沿線が宅地開発され運行本数を増やした。水戸−御前山間の本線廃止後は水戸西線を新たに水都東本線と改称し、地域密着の実を伴った本線となった。
 柿岡線は、後に水戸南線となる水戸−大貫海岸−堅倉−羽鳥間と連続した一つの路線「水福線」として羽鳥−福原間を走り始めた。水福線水戸−羽鳥−福原間は水都東線より早い昭和28(1953)年の開業であった。昭和37(1962)年に水戸南線と柿岡線に分かれ、昭和61(1986)年までに柿岡本線恋瀬小学校前−福原間や支線の竹原線、友部線(水戸南線から編入)などが廃止されて民営化を迎えた。
 水戸南線は上記のように水福線として開業した。昭和37(1962)年に羽鳥より南側の区間が水戸南線となった。水戸市南郊を回って羽鳥につながる経路であったが、昭和57(1982)年に途中区間が廃止となり、水戸駅と南部の集落を結ぶ盲腸線となった。
 
1 路線概要
 
◆ 昭和51(1976)年当時の路線(国鉄自動車線普通旅客運賃表昭和S51.2.1全面改正版)

水都東
水都東本線)
水戸−茨城大学前−石塚上町−赤沢間(26.2km)
  ※赤沢は元の御前山駅前、茨城交通線廃止後は御前山と改称、さらに昭和45年10月から赤沢に改称
(水戸西線)
水戸−自由ヶ丘−赤塚−谷津三叉路−木葉下−石塚上町間(24.5km)
水戸−水戸駅南口間(2.3km)
・谷津三叉路−内原間(5.0km)
(飯沼線)
赤塚−常陸高田−飯沼間(12.9km)

柿岡
柿岡本線)
羽鳥−羽鳥十文字−瓦谷−常陸小見−常陸今泉−福原間(19.7km)
・羽鳥十文字−石岡 間(7.2km)
・瓦谷−柿岡−八郷高校前間(5.8km)
・常陸今泉−羽黒岩瀬 間(8.7km)
(竹原線)
・東町−馬場入口−小川駅前間(16.1km)
  ※東町は水戸南本線で羽鳥十文字から0.7kmの停留所、柿岡本線と接続せず
(羽鳥線)
・羽鳥十文字−岩間友部 間(15.8km)

水戸南
水戸南本線)
水戸−常陸山崎−下入野−大貫海岸−大谷川−網掛−海老沢−東町−羽鳥十文字−羽鳥間(47.6km)
(友部線)
・常陸山崎−常陸三原−常陸高田−内原友部間(27.4km)
・常陸三原−明光中学校間(1.7km)
(涸沼線)
・下入野−前谷干拓−涸沼間(7.4km)

下線=鉄道線接続駅

◆ 国鉄時代(昭和55年10月末)の関係現業機関 : 水戸自動車営業所、(同)羽鳥派出所 (関東地方自動車局)

 
2 略史

2-1 水都東本線
S30(1955).1.10 水戸−御前山間「水都東線」開業
S33(1958).1.20 支線(東海線)開業に伴い水都東本線に改称
S55(1980).12.26 水戸−赤沢間廃止(赤沢=御前山、御前山駅前);路線消滅

2-2 東海線
S33(1958).1.20 水戸−原子力研究所前間開業
S45(1970).12.16 水戸−原子力研究所前間廃止;路線消滅

2-3 水戸西線→水都東本線(2)
S34(1959).1.9 「水戸西線」水戸−谷津−石塚上町間、谷津−常陸小原−杉崎間開業
S37(1962).5.1 常陸小原−杉崎間廃止、常陸小原−内原間開業
S49(1974).10.23 水戸−水戸駅南口間開業
S53(1978).1.18 中丸−双葉台二丁目−三夜前間開業
S55(1980).2.16 中丸−双葉台五丁目−三夜前間開業
S55(1980).12.26 水都東本線水戸−赤沢間廃止に伴い、水戸西線を本線「水都東本線」に改称
S57(1982).3.25 谷津三叉路−内原間廃止
S58(1983).3.31 谷津三叉路−石塚上町間廃止
S62(1987).4.1 東日本旅客鉄道に承継

2-4 飯沼線
S38(1963).8.12 赤塚−飯沼間開業
S62(1987).4.1 東日本旅客鉄道に承継
[文献]
[1] 『自動車線営業キロ程表』、日本国有鉄道自動車局(S39)
[2] 水谷昌義「国鉄自動車路線名称の変遷」、東京経済大学学術研究センター(H15)

 
3 関連資料

 3-1 昔の時刻表

水都東線・水戸南線時刻表
 (涸沼−水戸−赤塚−双葉台−谷津三叉路)
昭和59年3月31日改正 [PDFファイル]



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