国鉄のバス・トラックには車両管理のための番号(称号という)が付与されていた。国鉄民営化まで使用された称号は、昭和39(1964)年の規定改正によって定められた7桁の数字(形式称号3桁+固有番号4桁)で表す方式を基本としている。民営化後のジェイアールバス各社が使用している車両称号もこの方式が土台となっている。
次の写真の「527-9002」を例に称号規定を説明する。 |
S61.12.26 |
第1位の数字(例では5)は車両の能力および仕様を表す。「5」は旅客自動車で有効室内長8600mm以上のものを意味する。ただし、中長距離・観光用のもの、高速道路用のものはそれぞれ6および7を付与されるので除く。ほとんどの一般路線用大型バスは5である。第1位の各数字の意味を表1に示す。車両の大きさだけを表現するときには、この数字を使って「3型」「5型」などと言う。 |
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第2位の数字(例では2)は車両構造を表す。この車両は前向き1人掛シートが過半数を占める構造のため「2」である。貨物自動車の場合は、古い規定の名残で使用燃料別に区分される。表2アおよび表2イに第2位の各数字の意味を示す。 |
表2ア 第2位の数字( 第1位の数字が1から7の場合)
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表2イ 第2位の数字(第1位の数字が8または9の場合)
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第3位の数字(例では7)は製作会社を表す。527-9002は日野自動車製なので「7」である。
6が富士重工となっているので紛らわしいが、この数字はシャーシの製作会社を表しているので、例えば日産ディーゼルのシャーシに富士重工の車体を架装した車両は「8」となる。 |
表3 第3位の数字
数字 | 製 作 会 社 名 |
1 | いすゞ |
2 | 日産 |
3 | トヨタ |
4 | 三菱 |
5 | 東洋 |
6 | 富士重工 |
7 | 日野 |
8 | 日産ディーゼル |
9 | |
0 | その他 |
区切線以下の4桁は固有番号である。固有番号の千位の数字は、製作年を西暦の末尾の数字で示す。例に示した車両は1979年製作なので「9」である。 |
百位の数字は0が板バネ付、5が空気バネ付を表す。冷房車はそれぞれ4が加算されて、4が板バネ付冷房車、9が空気バネ付冷房車となる。また、車体形式を変更した車両は百位の数字を2とする。以上は旅客自動車であるが、貨物自動車では4輪駆動車の百位の数字を8として区別する。
旅客自動車の場合で、経年が10年を越える車両が存在して固有番号が重複するときは、板バネ付については百位の数字を1に、その他の旅客自動車では十位の数字に5を加算する。 下2桁は各区分毎の製造順に01から付与する。 例示した527-9002は板バネ付非冷房車で、同形式の2番目の車両ということになる。 |