国鉄バス資料室
天竜線路線概要
(天竜本線、東天竜線、佐久間線)
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遠江二俣自動車営業所
S58.12.29

西鹿島(遠江二俣)行
431-0004
遠江西川 S59.8.18

水窪町行 431-6002
天竜本線の終点・池島
S61.8.19
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 天竜本線は静岡県天竜市の二俣線遠江二俣駅を起点とし、天竜川沿いの谷を通って、静岡県磐田郡水窪町に至る路線。天竜市内から国道152号線を北上し、途中の西渡からは水窪川沿いを遡り、飯田線城西駅前、水窪駅近くを通って、静岡県磐田郡水窪町の北端部・池島で終点となる。
 第二次世界大戦末期の昭和19年3月25日、戦争遂行物資輸送のための貨物路線として開通した竜山線遠江二俣−遠江青谷間が起源で、戦後の昭和21年10月10日から天竜線として遠江二俣−水窪、佐久間間の旅客輸送を開始した。鉄道予定線・佐久間線(遠江二俣−中部天竜間)の先行開業路線という面もある。 
 バスは基本的に遠江二俣始発であるが、遠州鉄道西鹿島線から乗り継ぐ旅客が多く、本線系統の便はほとんど西鹿島を経由する。遠江二俣と西鹿島の間は回送のごとき状態で走ることが多い。西鹿島付近は遠州鉄道バスと競合するが、それも天竜市中心部を過ぎるまでであり、天竜市の北部や隣の龍山村では国鉄バス天竜線が唯一の公共交通機関であった。 
 遠江二俣からのバスが直通する北限は水窪町の中心にある「水窪町」停留所で、その先、池島までの区間は水窪町始発の便だけが走っていた。終点の池島から長野県境まではわずか数kmであるが、ここから先の国道152号線はバスが通れるような道路ではなく、県境の青崩峠は100番台の国道にもかかわらず未だに自動車通行不能である。 
 この本線から、支線の東天竜線と佐久間線、その他何本かの独立名称を持たない支線(路線名称は天竜本線)が分岐していた。路線の多くは天竜川およびその支流に沿った道路を走り、川の合流地点にあるやや大きな集落の「駅」で本線と支線のバス同士が接続する形態が複数箇所で見られた(遠江横山、遠江西川、瀬尻、西渡)。これらの支線の大半は民営化までに廃止された。 
 天竜線の沿線人口は少ないが、主要な集落は川沿いに分布しており、限られた人の流れとバス路線がほぼ一致していたことから、地域内での存在感は比較的高いように見受けられた。 
 運転基地は中部地方自動車局の遠江二俣自動車営業所で、竜山線開業以来変わらない(開業当時の組織名は自動車区)。水窪に派出所(国鉄時代末期は水窪在勤)があった。 


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