日本貨物鉄道の貨車記号

昭和3年の車両称号規定全面改正以来、数度の小改正を経ながら使用されてきた国鉄の貨車記号を元にして、番号の付与方法を変更したもの。ただし在来の貨車については国鉄の記号・番号をそのまま使用。


日本貨物鉄道発足後に登場した貨車の称号は 構造または用途を表す記号+標記荷重記号+形式を表す数字(ハイフン)番号 という構成になっている。貨車運用上の必要のため記号の前または後に符号が付けられる場合もある。

(例) ホキ1000−12


1.構造または用途を表す記号(旅客鉄道会社にのみ所属する種別も含む)・・・例では「ホ」
(名称) (記号) (記号の由来) (備考)
有ガイ車
ワゴン(Wagon)のワ
 
タンク車
タンクのタ
私有貨車のみ
無ガイ車
Truck(英:無蓋貨車)のト
 
長物車
Timber(材木)のチ
 
 コンテナ車
 コンテナのコ
 
大物車
重量品のシ
 
車運車
クルマのク
 
ホッパ車
ホッパ(Hopper)のホ
 
車掌車
車掌(シャシヨウ)のヨ
 
検重車
検重のケ
旅客鉄道所有のみ
操重車
操重のソ
旅客鉄道所有のみ
控車
控えのヒ
 
試験車・職用車
 
旅客鉄道所有のみ


2.標記荷重を表す記号
・・・例では「キ」
(標記荷重) (記号)
13t以下
なし
14t〜16t
17t〜19t
20t〜24t
25t以上


3.形式を表す数字・・・例では「1000」

形式を表す数字を番号と分離した。


4.番号・・・例では「12」
製造順に付与する。

5.符号・・・例では「オ」
符号とは貨車運用上の必要のため記号の前または後に小さく標記される補助記号である。
(符号) (対象車種) (標記例)
タンク体がアルミニウム製のタンク車 ア「タム」
標記荷重36tのトキ オ「トキ」
最大長さ16mをこえるタンク車 オ「タキ」
最大長さ12mをこえるホッパ車 オ「ホキ」
最大長さ12m以下のタサ、タキ コ「タサ」
延長換算両数1.2のワム ハ「ワム」
最高速度が65km/h以下の貨車 ロ「ソ」


(参考)
・『’97貨物時刻表』:(社)鉄道貨物協会,p15.

明治中期の貨車記号

明治44年制定の貨車記号

昭和3年制定の貨車記号

←← 起点にもどる